1.8. 著作権およびソフトウェアライセンスについて

この文書を読んでいる方は、多数の商用ソフトウェアにあるようなライセンス (購入したソフトウェアのコピー 1 部を、1 台のコンピュータで使用できる) はご存知のことでしょう。しかし、このシステムはそのようなものとは違います。私たちは、あなたの通っている学校や仕事場にあるすべてのコンピュータに Debian GNU/Linux をインストールすることを勧めます。また、友達に貸して、彼らのコンピュータにインストールするのを手伝ってあげましょう。さらには、わずかな制限にさえ気をつければ、何千部ものコピーを作って売ることも可能です。なぜなら、Debian はフリーソフトウェアに基づいているからです。

フリーソフトウェアとは、著作権を持っていないという意味ではありません。また、このソフトウェアを含むインストールメディアが、無償で配布されなければならないという意味でもありません。フリーソフトウェアとは、ひとつには、個々のプログラムのライセンスにおいて、プログラムの利用や再配付の権利に、お金を払う必要がないことを意味しています。また誰でも、そのソフトウェアを拡張したり、改造したり、修正すること、さらにその成果を再配付することが可能であることも意味しています。

[注記] 注記

Debian プロジェクトでは、ユーザーの実用性に関する妥協から、私たちのフリーの基準に適合しないパッケージも利用できるようになっています。このパッケージは公式なディストリビューションの一部ではありませんが、Debian ミラーの contribnon-free エリア、またはサードパーティ製 CD/DVD-ROM から入手できます。このレイアウトや、アーカイブの内容については、Debian FAQ にある Debian FTP アーカイブの節をご覧ください。

このシステムに入っているプログラムの多くは、GPL と略される GNU General Public License にしたがって利用許諾されています。この GPL は、プログラムのコピーを配布するときには、必ずプログラムのソースコードを利用可能にしておくことを要求しています。これは、ユーザーがそのソフトウェアを変更できることを保証するものです。そのため、私たちは、Debian システムに含まれる GPL 準拠のプログラムのソースコード[1]をすべて収録しています。

Debian に収録されたプログラムの著作権やソフトウェアライセンスの形式には、他にも数種あります。それぞれのプログラムの著作権やライセンスは、一度システムをインストールすれば、/usr/share/doc/パッケージ名/copyright ファイルを探せば見つけることができます。

ライセンスや、Debian が main ディストリビューションにソフトウェアを収録する際に用いているフリーの基準に関してより詳細な情報をお求めの場合は、Debian フリーソフトウェアガイドラインをご覧ください。

最も重要な法律上の注意点は、このソフトウェアが 無保証であることです。これは、このソフトウェアを作成したプログラマらがコミュニティの利益を考えてのことです。ソフトウェアは、いかなる目的への利用に対しても保証されていません。しかし、ソフトウェアがフリーであるゆえに、ユーザーには必要に応じてソフトウェアを修正する権限が与えられます。また、このようにしてソフトウェアの拡張が誰かによってなされれば、その利益も享受できます。



[1] Debian ソースパッケージの探し方や展開の仕方やバイナリの作成方法に関する情報については、Debian FAQDebian パッケージ管理システムの基本をご覧ください。