Debian プロジェクト書記
Debian プロジェクトが成長するにつれて、 紛争解決のために半ば公式な規則が必要であることが明白になり、 そこで、憲章が書かれました。Debian 憲章 ではプロジェクトの中の公式な意思決定における組織的な構造を述べています。 憲章は誰が決断を下すのか、どのような権限がその決断を下す個人や集団に 伴うのかを明確にしています。プロジェクト書記の任務は決断を下す存在として Debian 憲章に列挙されている六者のうちの一つです。
Debian 開発者であれば誰でも、Debian プロジェクト書記の地位に立つ者として適格であると考えられます。 プロジェクト書記がDebian プロジェクトリーダー 及び技術委員会の議長に就けないことを除いて、 誰でも複数の地位を兼任することができます。
任命
プロジェクトリーダーによって任命される 他の代表とは異なり、次期プロジェクト書記はプロジェクトリーダーと 現在のプロジェクト書記とによって任命されます。 現在の書記とプロジェクトリーダーの意見が異なる場合は、 開発者たちに、一般決議による書記の任命を依頼しなければなりません。
プロジェクト書記の在職期間は一年で、その満了時に自身あるいは 他の書記を (再) 任命しなければなりません。
プロジェクト書記によって実行される任務
投票の実施
書記によって実行される最も目に見える任務はプロジェクトの投票の実施です。 プロジェクトリーダー選挙が目立ちますが、 例えば一般決議のように他の投票も行われます。投票の実施には、 有権者の数と身分を確認して定足数を算出することも含まれます。
他の役職の代行
プロジェクト書記は技術委員会の会長とともにリーダー代行を 務めることができます。 この場合、それが必須であると考えられる事項について、 合同で決定を下すことができます。ただし、 これは不可欠で開発者の総意と一致している場合に限られます。
プロジェクト書記が不在または職務を遂行できない状態であり、 かつ決定権限の委任をしていない場合は、 技術委員会の議長が臨時代理としてプロジェクト書記のすべき決定をしたり、 適当な者に委任したりできる。
憲章の解釈
書記には、憲章の解釈に関するあらゆる論争に対して 裁定をする責任があります。
連絡先
Debian プロジェクト書記への連絡は [email protected] に英語でメールを送ってください。
現在の書記について
現在のプロジェクト書記は Kurt Roeckx
<[email protected]> です。
Kurt は 1995 年からフリーソフトウェアと Linux に関わっており、
2005 年 8 月 から Debian 開発者です。
Kurt は、Hogeschool voor Wetenschap & Kunst
から授与された電子工学と情報通信技術の修士号を持ちます。
Kurt は 2009 年 2 月からプロジェクト書記を務めています。 前の書記 Manoj Srivastava が辞任して以来、この役職に従事するようになりました。 プロジェクト書記である以外に、Kurt は AMD64 の移植開発者でもあり、 libtool、ntp、openssl を含む 12 個のパッケージの保守もしています。
書記補佐役
書記が立ち上げをしなければならない作業 (投票など) の量が増加しているため、
DPL (執筆時点で Steve McIntyre) と前書記 (Manoj) は、多忙なときに備えて
補佐を割り当てるのが良策であると合意しました。
現在、Neil McGovern <[email protected]> がその役に就いて
います。
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